矯正歯科を知る

マウスピース矯正のデメリットと不向きな症状

マウスピース矯正の デメリットと不向きな症状

 

マウスピース矯正の広告があちこちで見かけるようになり、一般歯科や歯科以外の業界から参入する企業も出てきて、マウスピース矯正を身近に感じるようになったのではないでしょうか。

一方で、色んな広告を通じてマウスピース矯正のお手軽なイメージが広まっていますが、
「マウスピース矯正のデメリットは?」
「マウスピース矯正の実際のところは?」
「私でもきれいな仕上がりになる?」

という声をよくいただきます。

 

ここでは矯正治療を検討している方が十分な情報を知った上で治療の検討をしていただけるように、マウスピース矯正ではどんな治療ができてどんなメリットやデメリットがあるのか、またマウスピース矯正が苦手とする症状はどんな症状なのか、なるべくわかりやすく紹介します。

 

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マウスピース矯正

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マウスピース矯正 3つのデメリット

矯正治療は大きく分けてマウスピース矯正とワイヤー矯正があります。ここではマウスピース矯正をワイヤー矯正と比べた場合のデメリットを紹介します。

マウスピース矯正期間中は、気軽にお食事ができません

マウスピース矯正治療中は、お食事の前にマウスピースを外します。お食事の後に歯ブラシをしてからマウスピースを装着します。

マウスピース矯正をつけたまま食事をすると、マウスピースが破損するおそれがあります。また、お食事後に歯ブラシせずにマウスピースを装着すると、むし歯や歯周病の原因となりますので注意が必要です。

患者さまの中には、「おやつや間食を減らすチャンス」という方もいます。

 

マウスピースを外してお食事いただけます。ワイヤー装置はそのままお食事いただけます。

ちなみに、ワイヤー矯正治療なら装置を着脱する煩わしさがありません。
そういった意味では、マウスピース矯正はマメな性格の方には向いていると言えます。

マウスピース矯正の治療期間はワイヤー矯正と比べると1.5倍とやや長い

マウスピースの動的治療期間は4か月半~1年半ですが、ワイヤー矯正で前歯だけを治療する場合とと比べると1.5倍です。

マウスピース矯正

ワイヤー矯正

動的治療

4か月半~1年半(基本的には前歯のみ)

3か月~1年(前歯のみ)

1年~3年(すべての歯)

保定治療

2年~

2年~

なお、歯の矯正治療には、歯を動かす動的治療と動いた歯を定着させる保定治療があります。保定治療は、いずれの矯正装置の場合でも2年~かかります。

歯を正しいポジションに移動する動的治療から動いた歯を固定する保定治療へ

△治療の2段階

 

マウスピース矯正には不向きな症例がある

マウスピース矯正では歯列全体にマウスピースを装着して、歯に力をかけ、歯のポジションをコントロールします。

マウスピース矯正

ワイヤー矯正

力のかけかた

マウスピースを通じて

間接的に力をかけます。

歯に装置をつけ

直接的に力をかけます。

コントロール性

低い~中程度

※症状による

高い

力の強さ

弱い

強い

動かせる歯

前歯・犬歯など

奥歯を含むすべての歯

適応症例

軽度

軽度~重度

ワイヤー矯正で歯に直接装置を付けるタイプと比べると、歯のコントロールの仕方が間接的になるため、マウスピース矯正では治療が難しい症状もあります。

※マウスピース矯正だけで治療が難しい場合は、マウスピース矯正とワイヤー矯正を併用する場合やワイヤー矯正で治療する場合などがあります。

 

 

 

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ここからは、すべての人にあてはまるわけではありませんが、お口の状態によってはマウスピース矯正が不向きな方がいますので紹介します。

 

マウスピース矯正に不向きな5つの症状

マウスピース矯正をしても歯が治療計画通りにコントロールできるかが不確実だったり、仕上がりの完成度が低くなったりしてしまう5つの代表的な症状を紹介します。

 

 

歯列の内側にずれてしまった歯(舌側転移歯)のマウスピース矯正

歯の内側に1本だけずれてしまった歯をマウスピース矯正で治療するデメリットについて紹介します。

舌側転移とはどんな症状?

写真のように、特定の歯だけが歯列の内側(舌側)に入り込んでしまったケースです。舌側転移(ぜっそくてんい)とよびます。

舌側転移の歯並び

 

舌側転移の理想的な矯正治療とは?

内側に入ってしまった歯を外側に移動して、歯列の中に入れることが理想的です。

実際の治療を簡略化したのが、次のイラストです。

上の前歯を側面から見たところ

 

マウスピース矯正の苦手ポイント

マウスピースで歯を外側に移動すると、上方にも移動してしまい、その歯が短く見えてしまうがあります。

もちろんこの動きが望ましい症状でしたら問題ありませんが、本来上方移動してほしくない場合は望ましくない動きと言えるでしょう。

 

マウスピース矯正での治療が難しいのはなぜ?

マウスピース矯正では、歯に「面」で力をかけます。そのため、歯の角度までは確実にコントロールするのが難しいです。ワイヤー矯正のほうが仕上がり完成度が高くできる場合が多いです。

 

すきっ歯(中等度以上)のマウスピース矯正

すきっ歯をマウスピース矯正で治療する際のデメリットについて紹介します。

 

すきっ歯とはどんな症状?

歯と歯の間にすき間が空いている状態をすきっ歯といいます。空隙歯列とも呼びます。

すきっ歯

 

すきっ歯の理想的な矯正治療とは?

すきっ歯の治療では、歯を横に平行移動するのが理想的です。

治療の実際を簡略化したのが次のイラストです。

上の前歯を正面から見たところ。理想は平行移動。マウスピース矯正は角度がついてしまう傾向がある

 

マウスピース矯正の苦手ポイント

マウスピースで歯を移動させると、歯の歯冠部分だけが移動して歯根は移動せず、歯に角度がついてしまう傾向があります。

歯冠部分とは歯の中で歯肉よりも上に出ている部分で、歯根とは歯の歯肉より下に埋まっている部分をさします。

もちろん歯に角度がつくことが望ましいケースもありますが、そうでない場合は望ましくない治療結果になる可能性があります。

 

マウスピース矯正の難点

マウスピースは歯の歯冠部分に面で力をかけます。

ワイヤー矯正では歯根から平行移動するように力をかけることができるため、このような問題は起こりません。

 

ねじれた歯のマウスピース矯正

矯正治療では、ねじれてしまった歯を適切な角度だけ回転させて、正常な向きに戻す治療を行います。

前歯のねじれが軽度なものはマウスピース矯正でも治療が可能なケースが多いですが、前歯のねじれが中度~重度の場合や犬歯のねじれについては、マウスピース矯正による治療が難しく、ワイヤー矯正での治療が望ましいです。

 

軽度にねじれた前歯の矯正治療

前歯が軽度にねじれている方は、マウスピース矯正での治療が可能なケースも多いです。

ねじれが軽度の症例

△上側・前歯が軽度にねじれ例

 

中には、軽度なねじれでもマウスピース矯正で治らなかったケースもあります。

他院で2年間マウスピース矯正した患者さんの写真。

△軽度ねじれ例。この症例は、他院で2年間マウスピース矯正しても、左上の前歯の角度が治療できなかったため、この後、当院でワイヤー矯正を行いました。

 

中度にねじれた前歯の矯正治療

前歯が中度にねじれている方は、マウスピース矯正しても、時間がかかる上、完成度が不十分になる可能性があります。

中度に前歯がねじれている症例

△上の前歯2本が中度ねじれ例

 

重度にねじれた前歯の矯正治療

前歯が重度にねじれている方は、マウスピース矯正しても、時間がかかる上、完成度も低くなる可能性が非常に高いです。

 

重度に前歯がねじれた症例

△上の前歯2本が重度ねじれ例

重度に前歯がねじれた症例

△上の前歯2本が重度ねじれ例

ねじれた犬歯の治療

犬歯がねじれているケースは、マウスピース矯正が苦手とするところです。

犬歯のねじれ

△左上の犬歯ねじれ例

犬歯のなじれた症例

△右上犬歯ねじれ例

 

ねじれた歯の治療に使用するアタッチメントとは

通常のマウスピース矯正ではマウスピースで歯の面を押して、歯をコントロールしますが、犬歯のように歯の断面が丸形や楕円形の歯は、面で押しても歯をコントロールできません。

 

そこで歯の表面にアタッチメントという突起物を接着することで、マウスピース矯正のコントロール性を高めます。しかし、歯の表面に構造物が付くので、シビアに見た目を気にされる方には不向きです。※アタッチメントはご自身で取り外しできません。

 

上の前歯を正面から見たところ

△アタッチメントをつけたイメージ画像

マウスピース矯正での噛み合わせ治療

噛み合わせの治療とは?

歯の見た目だけでなく、上下の歯の当たり方や動かした時の歯の当たり方などに問題がある方が治療を行います。歯医者さんで「不正咬合(ふせいこうごう)」と診察される場合もあります。

マウスピース矯正で噛み合わせの治療が難しい理由

咬み合わせの治療には、歯の3次元的な微調整が必要です。一般的なマウスピース矯正は歯の高さを調整するのが苦手です。歯を長くするように歯肉から引き上げるのはマウスピース矯正が苦手だからです。

上の前歯を正面から見たところ。歯を歯肉に押し下げる動き。

△歯の高さ調整の実際

マウスピース矯正の場合、治療が終わった時点で歯がしっかり噛み合わない可能性があります。その後に自然と治る場合もありますが、治らない可能性もあります。

マウスピース矯正で歯を引っ張り出す場合、アタッチメントと小さな輪ゴムを患者さんにマウスピース越しに歯にひっかけてもらうことがあります。

 

審美的にキレイでも、咬み合わせが不十分な例

こちらは他院でマウスピース矯正を3年間した後、当院を受診した時の写真です。正面から見ると審美的にキレイに見えますが、実際は咬み合わせのバランスが不十分なため、噛みづらさや奥歯の痛みを自覚されている患者さんの写真です。

 

審美的にキレイでも、歯が機能していない症例

 

審美的にキレイでも、歯が機能していない例。横写真。上下のはのバランスが噛み合っておらず。

上下の奥歯が噛み合っていないです。

審美的にキレイでも歯が機能していなと食べにくさ、奥歯の痛みを自覚しています。

前歯も噛み合っていないです。

 

すでに一度矯正治療をした方でも、咬み合わせの機能を回復させるには再度矯正治療が必要になり、患者さまへの負担がかかってしまいます。

 

マウスピース矯正による奥歯の治療

奥歯をマウスピース矯正で治療する場合のデメリットについて紹介します。

 

奥歯の治療が必要なのはどんなケース?

奥歯の歯列が乱れている場合や咬み合わせが合っていない場合、歯列全体を移動しないと矯正治療できない場合などに治療します。

 

マウスピース矯正で奥歯をコントロールするのが難しい理由

歯の中でも奥歯は歯根が太くしっかりしているため、歯を移動させるためには強い力が必要になります。一般的なマウスピース矯正はワイヤー矯正と比べると強い力がかけられないため、奥歯のコントロールは苦手です。

歯の根が細くてシンプルなので少しの力で動く前歯はマウスピース矯正に向いている。奥歯は歯根が太くて複雑なので少しの力では動きにくい。

△動かせる歯の実際

 

以上、マウスピース矯正では治療の完成度を高めることが難しい症状について紹介しました。

 

ご自身のお口の状態がこれらに当てはまるかについては、自己判断が難しい場合があります。初診カウンセリングなどをご利用ください。なお、初診カウンセリングでは、マウスピース矯正による治療が可能かどうか、治療するとしたらどこまで治療できるのか等をお話しております。

 

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矯正治療を検討中の方へ~初診のすすめ~

矯正治療を始める方は、歯科医院や矯正治療装置(ワイヤーかマウスピースか)など、検討しようと思ったらたくさんの検討が必要になります。

 

当院ではなるべく患者さんの希望通りの装置で矯正治療を行なっており、マウスピース矯正を希望する患者さんには、なるべくマウスピース矯正で治療を行なっています。しかし、初診や検査の結果、マウスピース単独での治療が難しい場合は、患者さんにその理由や予期されるトラブルなどを事前にお話しさせていただく場合があります。

 

矯正治療は100人いれば100通りの治療があります。

ご自身にあった治療に出会うには、複数の矯正歯科で初診やカウンセリングを受けることをお勧めします。

ご自身の希望が担当医にしっかり伝えられて、ご自身に合った治療法を提案してくれる歯科医院を見定めるには、初診で歯科医師と話すほかないからです。

 

当院は、銀座駅2分のところにある矯正歯科ですが、LINEテレビ通話を利用したオンラインカウンセリング(無料・30分・完全予約制)も行っています。

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